日本に在留している外国人の方が、本来の在留資格とは異なる収入を伴う活動を行うには、「資格外活動許可」が必要となる場合があります。
特に、留学生や家族滞在の方など、就労が制限されている在留資格を持つ方にとっては、アルバイトなどの活動を適法に行うために欠かせない制度です。
この記事では、資格外活動許可の対象となる方、許可を受けるための条件、申請方法、そして許可の種類について、わかりやすく解説します。
資格外活動許可って?
資格外活動許可とは、現在有している在留資格に該当しない収入を伴う事業の運営や報酬を受ける活動を行う際に必要な許可です。
入管法別表第一に掲げる在留資格の方(就労資格を有する方や留学生等)が対象です。入管法別表第二に掲げる在留資格の方(「永住者」や「定住者」)は、就労活動に制限がないため、資格外活動許可の対象ではありません。
資格外活動許可申請
https://www.moj.go.jp/isa/applications/procedures/16-8.html
就労や留学等の在留資格で在留する外国人の方が、許可された在留資格に応じた活動以外に、アルバイトなど、収入を伴う事業を運営する活動又は報酬を受ける活動を行おうとする場合に行う申請です。
許可が認められるための主な条件
以下のいずれにも適合する場合に資格外活動を行う相当性が認められ、許可されます。
- 申請に係る活動に従事することが、現在有している在留資格に基づく活動の遂行を妨げないこと。
- 現在有している在留資格に基づく活動を行っていること。
- 申請に係る活動が、入管法別表第一の一の表または二の表の下欄に掲げる活動(「特定技能」および「技能実習」を除く)に該当すること。
- 申請に係る活動が、以下のいずれにも該当しないこと。
・法令(刑事・民事を問わない)に違反すると認められる活動
・風俗営業、店舗型性風俗特殊営業、または特定遊興飲食店営業が行われている営業所での活動
・無店舗型性風俗特殊営業、映像送信型性風俗特殊営業、店舗型電話異性紹介営業、または無店舗型電話異性紹介事業に従事して行う活動 - 収容令書の発付や意見聴取通知書の送達、または通知を受けていないこと。
- 素行が不良でないこと。
- 本邦の公私の機関との契約に基づく在留資格を有する者については、当該機関が資格外活動を行うことに同意していること。
許可の種類
資格外活動許可は、大きく分けて次の2種類があります。両方の許可を受けることも可能ですが、既に一方の許可を受けている方が新たな許可を申請する場合には、在留資格に基づく活動を妨げない範囲であると認められる必要があります。
包括許可
週28時間以内の収入を伴う活動を行う場合、上記要件のうち(3)を除いた全てに適合していれば、包括的に資格外活動が許可されます。いわゆるアルバイト的な活動が想定されています。
対象者の例:
・「留学」の在留資格の方
・「家族滞在」の在留資格の方
・外国人の扶養を受ける配偶者若しくは子、又はそれに準ずる者として扶養を受ける者として行う日常的な活動を指定されて在留する方で、「特定活動」の在留資格の方
・継続就職活動又は内定後就職までの在留を目的とする「特定活動」の在留資格の方
・「教育」、「技術・人文知識・国際業務」又は「技能(スポーツインストラクターに限る)」のうち、地方公共団体等との雇用契約により活動する方
個別許可
原則として、上記「許可の要件(一般原則)」にすべて適合する必要があります。
包括許可の対象とならない活動や、すでに就労資格を持つ方が他の就労資格に該当する活動を行う場合は、活動の内容・場所・事業内容などを明記して個別に審査されます。
対象者の例:
・留学生が就業体験を目的とするインターンシップに従事するとして週28時間を超える資格外活動に従事する場合
・大学で稼働する「教授」の在留資格の方が民間企業で語学講師として稼働する場合(「技術・人文知識・国際業務」)の在留資格に該当する活動を行う場合)
・個人事業主として活動する場合や客観的に稼働時間を確認することが困難である活動に従事する場合

申請できる人
- 申請人本人
- 申請人本人の法定代理人
- 地方出入国在留管理局長から申請等取次者としての承認を受けている次の者で、申請人から依頼を受けた者
・申請人が経営している機関又は雇用されている機関の職員
・申請人が研修又は教育を受けている機関の職員
・外国人の円滑な受入れを図ることを目的とする公益法人の職員 - 地方出入国在留管理局長に届け出た弁護士又は行政書士で、申請人から依頼を受けたもの
まとめ
資格外活動を行うには、在留資格の活動内容に支障がないことや、活動内容が適法であることなど、いくつかの要件を満たす必要があります。
特に留学生や家族滞在の方にとっては、アルバイト的な活動のために包括許可を受けることが想定されます。
また、就労資格を持っている方で別の活動を行いたい場合は、個別に許可を得る必要があります。
申請の際は、自分の在留資格や活動内容をよく確認し、適切な手続きを行うことが大切です。