金属盗対策法が施行されました|大阪府の金属くず事業者が確認しておきたい届出義務と注意点

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近年、太陽光発電設備の銅線ケーブルなどを狙った金属盗が全国的に増加しています。
こうした被害を防止するため、「盗難特定金属製物品の処分の防止等に関する法律(金属盗対策法)」が制定されました。

このうち、特定金属くず買受業に関する規定令和8年6月1日に施行され、特定金属くずを買い受ける事業者には、新たに届出義務本人確認義務記録保存義務などが課されることとなりました。
また、大阪府では従来から「大阪府金属くず営業条例」が施行されているため、金属盗対策法だけでなく条例への対応も必要です。

この記事では、特定金属くず買受業に関する規定の概要と、大阪府の事業者が確認しておきたいポイントについて解説します。

金属盗対策法とは?

近年、太陽光発電設備の銅線ケーブルなどを狙った金属盗が全国的に増加しています。
こうした被害を防止するため、「盗難特定金属製物品の処分の防止等に関する法律(以下「金属盗対策法」といいます。)」が施行されました。

この法律では、盗難品の流通防止を目的として、特定金属くずを買い受ける事業者に対し、届出義務や本人確認義務、記録保存義務などが課されています

「特定金属くず」とは?

金属盗対策法の対象となるのは、「特定金属くず」です。

特定金属くずとは、や政令で定める金属によって構成されている金属くずのうち、盗難被害の防止が特に必要とされるものをいいます。
例えば、太陽光発電設備の銅線ケーブルなどに使用されているは、換金性が高く、金属盗の対象となりやすいことから、本法律の規制対象となっています。

特定金属くず買受業には届出が必要です

特定金属くず買受業を営もうとする方は、営業所ごとに、氏名や住所などを営業所の所在地を管轄する都道府県公安委員会へ届け出しなければなりません。

また、届出をしないまま特定金属くず買受業を営んだ場合は、6か月以下の拘禁刑もしくは100万円以下の罰金、またはその両方が科される可能性があります。

既存事業者には経過措置があります

金属盗対策法の施行時点において、すでに特定金属くず買受業を営んでいる事業者については、3か月間の経過措置が設けられています。

そのため、令和8年8月31日までに届出を行う必要があります。
ただし、後述する買受けの相手方の本人確認義務や、取引記録の作成・保存義務については、令和8年6月1日の法施行日から適用されますので注意が必要です。

買受時の本人確認と記録保存義務

特定金属くずを買い受ける際には、本人確認や記録の作成・保存が義務付けられています。

■ 特定金属くずの買受けを行う前に必要な対応
・買受けの相手方の本人確認
・上記本人確認に係る事項等に関する記録の作成
・上記記録を3年間保存

※本人確認には、顔写真付き身分証明書等が必要となります。
(例:運転免許証、マイナンバーカード、在留カード等)

■ 特定金属くずの買受けを行った後に必要な対応
・当該買受けの相手方の氏名、買受けの内容等の記録
・上記記録を3年間保存

届出後は営業所への表示が必要です

公安委員会への届出後は、営業所ごとの公衆の見やすい場所に、届出に関する事項を表示しなければなりません。

表示が必要な事項は次のとおりです。

  • 届出をした公安委員会の名称
  • 届出番号
  • 氏名または名称
  • 営業所の名称
※A4用紙、16ポイント以上の明朝体またはゴシック体

大阪府の事業者が特に注意したいポイント(法と条例)

大阪府では、金属盗対策法に加えて「大阪府金属くず営業条例」が適用されます。
そのため、特定金属くずを買い受ける場合は、法律と条例の双方に対応しなければなりません。

特に次の点に注意が必要です。

・条例の許可取得者であっても、特定金属くずを買い受ける場合は、法に基づく届出が必要です。届出を行わなければ「無届営業」となります。

・法に基づく届出を行った場合であっても、条例による許可の取得が必要です。許可を得ていなければ「無許可営業」となります。

・表示義務については、法と条例の双方の規定が適用されます。

・相手方確認については、法の確認方法を優先します。ただし、条例により「職業」の追加確認が必要です。

・記録方法については、原則として法の記録方法を優先します。なお、売却時の情報を追記することで、条例の帳簿作成義務にも対応できます。

・記録の保存期間は、法では3年間条例では1年間とされています。

※警察への申告については、大阪府金属くず営業条例の規定が適用されます
盗品に限らず、犯罪により取得された不正品の疑いがある場合は、警察官へ申告しなければなりません。

【金属盗対策法と大阪府金属くず営業条例の対比】

 金属盗対策法大阪府金属くず営業条例
届出・申請届出
※営業開始前日までに
申請
※審査あり(標準処理期間40日)
届出先・申請先原則、営業所の所在地を管轄する警察署原則、主たる営業所を管轄する警察署
行商なしあり
対象金属
(青銅、真鍮含む)
金属全般
(銅、鉄、アルミ、亜鉛、ジェラルミンなど)
許可証なし
(届出番号の通知のみ)
あり
相手確認身分証明書顔写真付き証明書
(運転免許証、マイナンバーカードなど)
顔写真付きに限定されない
法人登記事項証明書または印鑑証明書など
・取引担当者の本人特定事項
(住所、氏名、年齢)
取引担当者の本人特定事項
(住所、氏名、年齢、職業
売買記録保存期間3年1年
種類相手確認記録取引記録
(買取時のみ)
取引記録(買取時、売却時
表示義務義務あり(施行規則の様式なし)
※webサイト上の表示義務あり
(常時使用する従業者数5人超の場合)
義務あり
(様式:縦8cm×横16cm)
警察への申告義務買受けに係る特定金属くず(例:銅など)が
盗難に由来する疑いがあるとき
不正品の疑いがあるとき
※盗品等より広い概念

指定金属切断工具の隠匿携帯も規制されています

金属盗対策法では、特定金属くず買受業に関する措置に先立ち、令和7年9月1日から指定金属切断工具の隠匿携帯に関する規制が開始されています。

これにより、業務その他正当な理由なく、指定金属切断工具を隠して携帯すること(隠匿携帯)が禁止されています

【隠匿携帯とは?】

自動車のフロアマットの下に置いたり、布で包んだりするなど、他人の目に触れないような状態で持ち運ぶことをいいます。

まとめ

令和8年6月1日に施行された金属盗対策法の特定金属くず買受業に関する措置により、対象事業者には届出義務や本人確認義務、記録保存義務などが課されることとなりました。

また、大阪府では大阪府金属くず営業条例も適用されるため、法律の届出だけでなく、条例による許可や各種義務についても確認しておく必要があります。

特定金属くずを取り扱う事業者の方は、届出期限各種義務の開始時期に注意しながら、必要な手続きを進めましょう。
届出や許可の取得に不安をお持ちでしたら、お気軽に当事務所までご相談ください。