戸籍の附票は、戸籍と連動して住所の履歴を記録する書類です。複数回の引越しを証明する際や、住所変更が必要な手続きで重要な役割を果たします。この記事では、戸籍の附票の概要、住民票や戸籍との違い、取得方法、そして引越し履歴を証明する場合の利用方法について詳しく解説します。
戸籍の附票とは?
戸籍の附票とは何か?
戸籍の附票は、戸籍に登録された人の住所の履歴を記録する書類です。日本では戸籍に基づいて住民票が管理されており、附票はその橋渡しの役割を果たします。住所変更のたびに記録が更新され、過去の住所が全て確認できます。住民基本台帳法施行令の一部改正(令和元年6月20日施行)により、戸籍の附票の除票および改製原附票の保存期間がそれまでの5年間から150年間に延長されました。
戸籍と附票の違い
- 戸籍: 家族構成や出生、婚姻などの身分関係を記録する書類。
- 附票: 戸籍に紐付く住所の履歴を記録する書類。
戸籍は個人の身分事項を、附票は住所履歴を中心に取り扱います。
住民票との違いや関連性
住民票との違い
住民票は現在の住所を基準に住民登録されている情報で、日常的な行政手続きで使用されます。一方、戸籍の附票は過去の住所履歴を確認するために利用されるもので、必要に応じて補完的に利用されます。
戸籍の附票が必要な理由
住所履歴を証明する必要がある場面で活用されます。例えば、以下のような状況が考えられます。
- 車検や各種契約手続きでの住所確認
- 法的手続きでの履歴証明
車検証の住所と現住所が異なる場合
現住所と車検証住所の相違
車検証の住所が現住所と異なる場合、その変更履歴を証明する必要があります。住所を移転したのが一度だけでしたら、住民票を取得するだけで足りますが、複数回移転しているような場合には、住民票だけではその住所移転の履歴を確認するのに足りないことがあります。この際に有効なのが「戸籍の附票」です。戸籍の附票には過去の住所が記録されており、旧住所から現住所までのつながりを明確に示すことができます。
住所変更の手続きと必要書類
車検証の住所変更を行う際、以下の書類が求められる場合があります。
- 現住所の住民票
- 戸籍の附票
- 必要な手続き費用
戸籍の附票の取得方法
窓口での申請手続き
市役所や区役所等の役所窓口で申請できます。必要書類や手数料を確認の上、手続きを行います。請求ができるのは、原則、本人、同一戸籍(配偶者等)の方、直系親族(祖父母・父母・子・孫)です。代理人が請求する場合、任意代理人の場合は委任状、法定代理人の場合は法定代理人であることがわかる書類が必要です。
コンビニでの戸籍の附票取得
住民基本台帳カードやマイナンバーカードを利用することで、一部のコンビニで取得可能です。対応地域や時間帯を事前に確認しましょう。
郵送での申請と取得について
遠方に住んでいる場合は郵送での取得も可能です。申請書や本人確認書類、手数料を送付し、発行してもらいます。
- 戸籍の附票の写し請求書(郵送請求用)
- 手数料分の定額小為替(無記名)
- 返信用封筒
- 請求者の住所および氏名が確認できる本人確認書類
- 委任状 ※代理人が申請する場合
複数回の引越しを証明するための戸籍の附票
引越し履歴を示すための書類
複数回の引越しを証明する場合、戸籍の附票にて過去から現在までの住所履歴を一貫して確認することができます。
証明書としての使用例
- 住所履歴が必要な金融手続き
- 転居履歴を示す必要がある法的場面
本籍も変わっている場合
本籍を変更(転籍)していると、現在の附票には現在の本籍にした日以降の住所しか記録されていません。現在の附票で、証明を必要とする住所までさかのぼることができない場合は、転籍前(本籍を変更する前の)除附票をとることになります。。結婚等により本籍が変更されている場合、結婚する前の本籍地(親の戸籍等)で戸籍の附票を取得する必要があります。
転籍前の本籍地の附票の取り方
転籍前の本籍地の役所に申請する必要があります。申請書に記載する情報が不足すると発行されない場合があるため、詳細を正確に記載しましょう。郵送による請求も可能です。請求には、本籍、筆頭者の氏名が必要となるため、あらかじめ確認しておきましょう。
まとめ
戸籍の附票は、戸籍と連動して住所の履歴を記録する書類です。複数回の引越しを証明する際や、住所変更が必要な手続きで重要な役割を果たします。請求手続きに不安がある場合は、弁護士、司法書士、行政書士等の専門家に依頼することも可能です。