自動車運送業分野では、ドライバー不足が深刻化しており、一定の技能と日本語能力を持つ外国人材の受入れが進められています。
なかでも、外国人が日本の運転免許や必要な研修を受けるために活用できるのが、在留資格「特定活動(特定自動車運送業準備)」です。
この制度を経て要件を満たすことで、在留資格「特定技能1号」への移行が可能となります。
本記事では、「特定活動」から「特定技能1号」への流れや必要条件、在留期間の注意点をわかりやすく解説します。
特定活動「特定自動車運送業準備」とは?
1号特定技能外国人として自動車運送業分野で働くためには、日本の運転免許取得のほか、タクシー運送業およびバス運送業では新任運転者研修の修了が必要です。
これらの準備を行うために、在留資格「特定活動」(特定自動車運送業準備)の申請が可能です。
この特定活動を申請する場合、外国人本人(特定自動車運送業準備外国人)と、その受入れ機関(特定自動車運送業準備所属機関)双方に、「特定技能1号」の申請時と同じ要件を満たす必要があります。
加えて、外国人本人は、日本の運転免許取得と新任運転者研修の修了(タクシー・バス運送業の場合)が必要条件となります。
認められる活動
- 運転免許取得に関する手続き(自動車教習所への通所含む)
- 新任運転者研修の受講(タクシー運送業・バス運送業の場合)
- 関連業務(車両の清掃など運行に付随する業務)
在留期間と注意点
- トラック運転者:6か月
- タクシー運転者・バス運転者:1年 ※いずれも更新はできません。
免許や研修が終わった時点で、残り期間があっても速やかに「特定技能1号」への変更申請が必要です。
なお、この特定活動の期間は特定技能1号の通算在留期間には含まれません。
特定技能「自動車運送業分野」
自動車運送業分野では、離職や労働規制の見直し(いわゆる「2024年問題」)の影響もあり、ドライバー不足が深刻です。
推計では5年後に約28万8,000人の人手不足が発生するとされ、有効求人倍率も令和4年度で 2.61倍 と高い状況です。
国内人材確保の努力が続く中、一定の専門性・技能を持つ外国人の受入れが、業界の維持と発展に不可欠となっています。
■各業務区分ごとの必要要件は以下の通りです。
| 業務区分 | 技能水準 | 日本語能力 |
| 事業用自動車(トラック)の運転、運転に付随する業務全般 | 自動車運送業分野特定技能1号評価試験 (トラック)及び第一種運転免許 | 国際交流基金日本語基礎テスト又は日本語能力試験(N4以上) |
| 事業用自動車(タクシー)の運転、運転に付随する業務全般 | 自動車運送業分野特定技能1号評価試験 (タクシー)及び第二種運転免許 | 日本語能力試験(N3以上) |
| 事業用自動車(バス)の 運転、運転に付随する業務全般 | 自動車運送業分野特定技能1号評価試験 (バス)及び第二種運転免許 | 日本語能力試験(N3以上) |
主な業務内容
- バス運転者:
運行業務、接遇業務(付随作業として車内清掃、営業所内清掃、運賃精算・管理等)
※関連業務のみを専ら行うことはできません。 - タクシー運転者:
運行業務、接遇業務(付随作業として車内清掃、営業所内清掃、運賃精算・管理等)
※関連業務のみを専ら行うことはできません。 - トラック運転者:
運行業務、荷役業務(付随作業として車内清掃、洗車、営業所内清掃等)
※関連業務のみを専ら行うことはできません。
まとめ
自動車運送業は今後も深刻な人材不足が見込まれるため、外国人材の受入れがますます重要になります。
「特定活動」から「特定技能1号」への移行は、必要な準備と要件を満たせば可能です。ただし、免許取得や研修終了後は、在留資格変更の申請を速やかに行うことが必要となります。
条件や流れに不安がある場合は、行政書士など専門家へ早めに相談し、計画的に手続を進めることをおすすめします。


