繁忙期の人手不足対策として、ワーキングホリデーで日本に滞在している外国人の雇用を検討する企業も増えています。
「就労制限はあるのか」「アルバイトとして雇って問題ないのか」「正社員として続けて働いてもらえるのか」など、実務上の疑問をお持ちの方も多いのではないでしょうか。
本記事では、在留資格「ワーキングホリデー」の基本的な仕組みと、企業が雇用前に必ず確認すべきポイントについて分かりやすく解説します。
在留資格「ワーキングホリデー」とは
ワーキングホリデーで日本に滞在する外国人が有する在留資格は、「特定活動」と呼ばれます。正式には「特定活動告示5号」または「特定活動告示5号の2」です。
「特定活動」とは、法務大臣が個々の外国人について特に指定する活動を行うための在留資格で、ワーキングホリデー以外にも、「外交官等の家事使用人」や「経済連携協定に基づく外国人看護師」「インターンシップ」など、さまざまな類型があります。
ワーキングホリデー制度の概要
ワーキングホリデー制度とは、二国・地域間の取決めに基づき、相手国・地域の青少年が休暇を主な目的として入国・滞在し、その滞在資金を補うために付随的な就労を行うことを認める制度です。
旅行や滞在を通じて、相手国の文化や一般的な生活様式への理解を深め、相互理解を促進することを趣旨としています。
日本は、昭和55年にオーストラリアとの間で制度を開始して以降、令和8年1月1日現在、31の国・地域とワーキングホリデー制度を導入しています。

ワーキングホリデーの主な要件
ワーキングホリデー査証の主な要件は、次のとおりです。
- 査証申請時の年齢が18歳以上30歳以下であること(※国により例外あり)
- 子や被扶養者を同伴しないこと
- 有効な旅券を所持し、帰国用航空券または購入可能な資金を有していること
- 健康であること
- 過去にワーキングホリデー査証の発給を受けていないこと(※例外あり)
など
ワーキングホリデーかどうかの確認方法
外国人の在留資格を確認する際には、通常「在留カード」を確認します。
ただし、ワーキングホリデーで滞在している外国人の在留カードには、「特定活動」とのみ記載されており、ワーキングホリデーであるかどうかまでは判別できません。
「特定活動」には就労が認められないものも含まれるため、在留カードだけで判断するのは注意が必要です。
ワーキングホリデーかどうかを確認するには、在留カードに加えてパスポートも確認しましょう。パスポートに添付されている「指定書」を確認することで、ワーキングホリデーで滞在しているかどうかが分かります。
ワーキングホリデーでの就労の考え方
ワーキングホリデーでは、原則として業種・職種の制限はありません。他の在留資格と比べて、就労制限が少ない点が特徴です。
在留資格「技術・人文知識・国際業務」では認められない単純労働のみを行うことも可能で、留学生の資格外活動許可のような「週28時間以内」といった就労時間の制限もありません。
ただし、風俗営業等に関連する業務に就くことはできません。
滞在期間と更新・在留資格変更の可否
ワーキングホリデーによる滞在期間は、原則として入国から1年間です。
韓国、オーストラリア、ニュージーランド、カナダ、ドイツなど一部の国を除き、在留期間の更新や在留資格の変更はできません。
そのため、原則として一旦帰国したうえで、改めて在留資格認定証明書交付申請を行う必要があります。
まとめ
ワーキングホリデーで滞在中の外国人は、就労制限が少ないため、企業側にとっては比較的受け入れやすい在留資格といえます。繁忙期に合わせた一時的な雇用にも適しています。
一方で、正社員として引き続き雇用する場合には、在留資格の変更手続きが必要となり、原則として一旦帰国が必要です。
また、正社員として雇用した後は、ワーキングホリデー期間中と同じ内容の業務が継続できるとは限りません。
そのため、継続雇用を前提とする場合には、事前にどの在留資格が適切かを確認しておくことが重要です。

