建設業許可申請書類に「登記されていないこと証明書」と「身分証明書」があります。
あまり聞きなれない名称ですが、一体どのような書類なのでしょうか。また、この2つの違いは何でしょうか。
いずれも「欠格要件に該当しないこと」を確認するための重要な書類です。
登記されていないことの証明書
「登記されていないことの証明書」とは、成年後見制度の利用者を登記(登録)している後見登記等ファイルに登記(登録)されていないことを証明するものです。資格や営業許可等を受けるために必要となることがあるほか、家庭裁判所での成年後見等の開始申立て手続などに使用されています。
法令上は「登記事項証明書(あること証明)」と「登記されていないことの証明書」を総称して「登記事項証明書」とされているため、各種資格や営業許可等に関する機関などから「登記事項証明書」の提出を求められた場合であっても、その証明事項が「成年被後見人、被保佐人等とする記録がない」ことであるときは、「登記されていないことの証明書」を請求します。
これに対して、「登記事項証明書(あること証明)」は、後見登記等ファイルに登記(登録)されていることを証明するものです。成年後見人等となっている方が、本人に代わって契約等を行う際に、該当する権限を有していることを証明するためなどに使用されています。
請求できる人は?(登記されていないことの証明書)

- 本人
- 本人の配偶者や4親等内の親族(※関係を証する戸籍謄本や住民票等が必要)
- 上記の方から委任を受けた代理人(※委任状等が必要)
請求方法について
■窓口
東京法務局の後見登録課、全国の法務局・地方法務局の本局の戸籍課で取り扱われています。
(大阪府の場合)
大阪法務局 成年後見登記証明書発行窓口(大手前合同庁舎4階)
対応時間:平日9:00~17:00 ※祝日および年末年始を除く
問合せ先:06-6942-9459
支局や出張所では証明書の発行は取り扱われていませんので、注意が必要です。
なお、住所地、本籍地にかかわらず、全国いずれの法務局・地方法務局の本局の戸籍課へ申請することが可能です。
■郵送
東京法務局のみの取扱いとなります。申請書を郵送してから証明書が手元に届くまで約1週間~10日程度かかります。
(郵送先)
〒102-8226
東京都千代田区九段南1-1-15 九段第2合同庁舎4階
東京法務局 民事行政部 後見登録課
問合せ先:03-5213-1360
■オンライン
詳細は、下記法務省のホームページをご確認ください。
オンラインによる成年後見の登記事項証明書等の送付請求について
https://www.moj.go.jp/MINJI/minji04_00020.html
/法務省
身分証明書(成年被後見人・破産に関する証明)
いわゆる「身分証明書」のことです。本籍地の市区町村が発行する証明書で、「後見の登記の通知を受けていないことおよび禁治産および準禁治産の宣告の通知を受けていない」という項目と「破産宣告または破産手続開始決定の通知を受けていない」という2つの項目(表現は市区町村によって異なることがあります)に関する証明となります。
資格や認可を受ける際に必要になることがあります。
申請できる人は?

- 本人
- 代理人(※委任状が必要)
ただし、大阪市において未成年者の身分証明書を、その法定代理人が申請する場合は、委任状は必要ありません。
なお、郵送での申請可否など請求方法については、各市町村の窓口へ確認してください。
「登記されていないことの証明書」と「身分証明書」の関係について
建設業許可申請で「登記されていないことの証明書」と「身分証明書」の両方が求められるのは、成年後見制度に関する公示方法が途中で変更されたためです。
平成12年3月31日以前は、禁治産者・準禁治産者に該当するかどうかは、本人の戸籍への記載によって公示されていました。
この時点の欠格事由に該当しないことは、本籍地の市区町村が発行する「身分証明書」によって証明されます。
一方、平成12年4月1日以降は、公示方法が戸籍から後見登記等ファイルへの登記に変更されました。
そのため、この時点以降については、「登記されていないことの証明書」によって、成年被後見人や被保佐人等に該当しないことを証明します。
このように、制度変更の前後いずれの時点でも欠格事由に該当していないことを確認するため、建設業許可申請では「登記されていないことの証明書」と「身分証明書」の両方の提出が必要となります。
なお、「破産者」でないことの証明については、「身分証明書」によってのみ行われます。
まとめ
建設業許可申請では、「登記されていないことの証明書」と「身分証明書」という、名称だけでは分かりにくい書類の提出が求められます。
これらは、申請者が成年後見制度や破産などの欠格事由に該当していないことを確認するための重要な書類です。
「登記されていないことの証明書」は、後見登記等ファイルに登記されていないことを法務局が証明する書類であり、「身分証明書」は、本籍地の市区町村が発行するもので、破産に関する事項なども含めて証明します。
制度改正の経緯から、いずれの時点でも欠格事由に該当していないことを示すため、両方の書類を提出する必要があります。
どちらの書類も取得先や請求方法が異なるため、準備には余裕をもって進めることが大切です。
建設業許可申請では、こうした細かな書類の不備が原因で手続きが滞ることも少なくありません。不安な点がある場合は、早めに専門家へ相談することをおすすめします。

