大切なペットたちが安心して過ごせる場所をつくりたい。
そんな思いから「ペットホテルを開業してみたい」と考える方も少なくありません。
けれども、実際に始めるとなると、物件の条件や必要な届出、設備の準備など、事前に知っておくべきことがたくさんあります。
この記事では、ペットホテル開業に向けて押さえておきたい基本的なポイントを、わかりやすく整理してご紹介します。
物件探しで大切なポイント
新しくペットホテルを開業するために、まず始めるのは物件探しです。
たとえば賃貸物件の場合、ペットの受け入れが可能な物件を探すのは簡単ではありません。
しかし、開業後の運営を考えると、物件探しは妥協せずに取り組むことが大切です。
1.近隣に飲食店がないこと
ペット関連サービス業を開業するうえで、至近距離に飲食店がないことは重要な条件です。
飲食店の利用者の中には、ペットが苦手な方やアレルギーのある方もいます。
また、散歩中の排泄や臭いの問題などからトラブルにつながるおそれもあります。そのため、飲食店の近隣はできるだけ避けるようにしましょう。
また、開業後にテナントの入れ替わりで近隣に飲食店が入居することもあります。その場合は、悪臭や排泄に関する苦情が生じないよう日頃からの衛生管理に注意が必要です。
2.騒音への対策
賃貸物件には木造・鉄骨造・コンクリート造などの種類があります。
木造物件は比較的安価な条件で見つかることもありますが、犬や猫の鳴き声などによる騒音問題が避けられません。
特に犬が夜間に遠吠えすることもあるため、防音性の高い鉄骨造やコンクリート造の物件を選ぶのが望ましいでしょう。
3.立地について
ペットホテルの利用者は、多くの場合、車で来店します。
そのため、来店客用の駐車場があることは重要です。駐車場があれば、利用者は旅行やレジャーの出発前にペットを預け、そのまま出発できるからです。
また、犬を連れてスムーズに出入りできるよう、1階に店舗があることが理想的です。2階以上になるとエレベーターや階段の利用が必要となり、利用者にもスタッフにも負担がかかります。
開業に必要な手続きについて
動物愛護管理法により、ペットホテルを開業する場合は「第一種動物取扱業(保管)」の登録を行わなければなりません。
トレーニングやしつけなどをサービスに取り入れる場合には、「保管」とあわせて「訓練」の登録も必要です。
また、事業所ごとに専属の「動物取扱責任者」を置く必要があります。要件は自治体によって異なる場合があるため、事前に確認をしておきましょう。
さらに、収容する頭数によっては「化製場等に関する法律」に基づく動物飼養(収容)許可の申請が必要となる場合もあります。
化製場等・動物飼養場/大阪市
https://www.city.osaka.lg.jp/kenko/page/0000644443.html
開業前に準備しておきたい備品
ペットホテルの開業に必要な主な備品は次のとおりです。
- ケージ
- トイレ
- ドッグバス
- トリミングテーブル
- ドライヤー
- キャリーケース
- 食器
- 給水ボトル
- リード
- ハーネス

ケージを小さくして収容数を増やすことも考えられますが、狭いスペースではペットが落ち着かず、飼い主の信頼を損ねるおそれがあります。
動物ごとに十分なスペースを確保し、快適に過ごせる環境づくりを心がけましょう。
また、ペットホテルにはトリミング設備が不要と思われがちですが、長期滞在中に身体が汚れてしまうこともあります。
そんなときでも清潔な状態を保てるよう、最低限のトリミング設備は用意しておくのがおすすめです。
まとめ
ペットホテルの開業には、物件選びから設備の準備、法的な届出まで、さまざまな段階を丁寧に進めていく必要があります。
なかでも、立地や建物の構造といった環境面は、ペットたちの快適さや飼い主の安心感に直結します。
開業後の運営を見据え、信頼されるサービスづくりの基礎をしっかり整えておくことが大切です。
ペットたちが安心して過ごせる空間を提供することは、飼い主にとっても心強い支えになります。小さな配慮の積み重ねが、「またお願いしたい」と思ってもらえるペットホテルづくりにつながるでしょう。
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