日本の企業にとって、海外の大学に在籍する学生を受け入れるインターンシップは、国際的な人材交流の貴重な機会となります。
一方で、報酬を伴うインターンシップを適正に実施するためには、在留資格「特定活動」に関するルールやガイドラインを正しく理解することが不可欠です。
本記事では、制度の趣旨や要件、受入れ機関が整備すべき体制を解説し、企業が安心して適正なインターンシップを実施できるようポイントをお伝えします。
外国大学生のためのインターンシップ
外国の学生が日本においてインターンシップを行う場合、活動内容等に応じた在留資格が決定され、一定期間の活動が認められます。
インターンシップは、一般的に「学生が在学中に自らの専攻、将来のキャリアに関連した就業体験を行うこと」として幅広くとらえられており、これを体験する学生(以下、「インターンシップ生」)、学生を送り出す大学、学生を受け入れる企業等それぞれにとって有意義なものです。ところが、近時、一部の受入れ機関において不適切なインターンシップの実態が確認されており、そのような背景を踏まえ、「特定活動」の在留資格によって認められるインターンシップについて、要件や活動内容、制度の趣旨を明確にするとともに、適正な制度の利用促進を図るためガイドラインが策定されました。
インターンシップの意義と制度の背景
インターンシップとは、一般的に、学生が在学中に企業等において自らの専攻及び将来のキャリアに関連した実習・研修的な就業体験を行うものです。そのため、インターンシップ生を受け入れる企業等においては、適正な体制を整備したうえで、インターンシップ生が所属する大学とも連携しながら、効果的なインターンシップ計画を立案することが重要です。
出入国管理及び難民認定法第七条第一項第二号の規定に基づき同法別表第一の五の表の下欄に掲げる活動を定める件(抜粋)
https://www.moj.go.jp/isa/content/001360125.pdf
九 外国の大学の学生(卒業又は修了をした者に対して学位の授与される教育課程に在籍する者(通信による教育を行う課程に在籍する者を除く。)に限る。)が、当該教育課程の一部として、当該大学と本邦の公私の機関との間の契約に基づき当該機関から報酬を受けて、一年を超えない期間で、かつ、通算して当該大学の修業年限の二分の一を超えない期間内当該機関の業務に従事する活動
対象となる学生・契約内容・活動範囲の整理
1.外国の大学の学生:
学位の授与される教育課程であれば、短期大学・大学院も対象となります。日本入国時に18歳以上である学生に限られます。
2.当該教育課程の一部として:
基本的には一定の知識・技術等を身につけることが可能な活動である必要があります。大学生に求められる知識や教養の向上に資するとは認められないような、同一の作業の反復に主として従事するものは認められません。
3.大学と本邦の公私の機関との間の契約:
外国の大学と受入れ機関となる日本の企業等との間で契約を締結する際には、以下の事項を契約に含め、その内容についてインターンシップ生が理解していることが必要です。
・インターンシップの目的
・大学における単位科目、取得単位数
・インターンシップ期間
・報酬とその支払方法
・報酬から控除される費目(住居費、光熱費等)とその額
・保険内容及び負担者
・旅費(往復の旅費、日本国内の移動費)の負担者
・大学に対する報告事項
・インターンシップを中止する場合の要件
4.当該機関の業務に従事する活動:
受入れ機関の下で業務に従事する必要があります。派遣先における活動は認められません。
受入れ機関に求められる体制と注意点
在留資格「特定活動」によるインターンシップは、長期にわたって報酬を受けながら日本において活動するものです。インターンシップ生の保護のため、受入れ機関は、インターンシップが「教育課程の一部」であることを理解したうえで、指導体制・適正な受入れ人数・実施計画の作成等、受入れに足りる十分な実施体制を確保している必要があります。
また、技能実習生を受け入れている機関においては、活動の目標や内容、指導体制等について技能実習生との違いを明らかにする必要があります。
仲介事業者を利用する際の留意点
受入れ機関において、インターンシップ生の受入れに関する大学との調整、出入国手続に際しての支援、入国後の生活支援等に関して仲介事業者を利用する場合には、仲介事業者についても支援業務等を適切に行う能力や体制が十分に確保されているか等に留意する必要があります。
なお、仲介事業者は受入れ機関ではないため、在留資格認定証明書交付申請の代理人になることはできません。
ケースごとに整理された在留資格の取扱い
現在の状況ごとに整理すると以下の表のようになります。
| 現在の状況 | 報酬 | 従事する 時間・期間 | 必要な手続・在留資格 |
| 在留資格「留学」又は「特 定活動(継続就職活動・就 職内定者)」をもって本邦 に在留中 | あり | 1週につき 28時間以内 | 資格外活動許可(包括許可) |
| 1週につき 28時間超 | 資格外活動許可(個別許可) | ||
| なし | - | 資格外活動許可を受けることなく活動可能 | |
| 海外の大学に在籍中 | あり | 1年を 超えない期間 | 特定活動(告示9号) |
| なし | 90日以上 | 文化活動 | |
| 90日以内 | 短期滞在 |
まとめ
外国の大学生を受け入れるインターンシップは、単なる労働力の補充ではなく、教育課程の一部として実施されるべきものです。
受入れ機関にとっては、在留資格「特定活動」の趣旨を理解し、大学との契約内容や指導体制を明確に整えることが不可欠です。
適正に運用されたインターンシップは、学生にとって学びの機会となるだけでなく、企業にとっても将来の国際的な人材とのつながりを築く大きなチャンスとなります。


