ビザ「特定技能」―1号・2号の制度の違いと受入れ機関の役割

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人手不足が深刻な産業分野において、外国人材の受け入れを可能にする「特定技能」制度が創設されました。この制度は、一定の技能を有し即戦力として期待される外国人向けの「特定技能1号」と、さらに熟練した技能を有する「特定技能2号」に分かれています。
本記事では、両制度の概要や主な違い、受入れ機関が果たすべき役割について解説します。

「特定技能」制度の概要

深刻化する人手不足への対応として、生産性の向上や国内人材の確保のための取組みを行ってもなお人材を確保することが困難な状況にある産業上の分野に限り、一定の専門性・技能を有し即戦力となる外国人を受け入れるため、在留資格「特定技能1号」及び「特定技能2号」が創設されました。

特定技能1号と特定技能2号の比較

■特定技能1号の特徴

特定産業分野に属する相当程度の知識又は経験を必要とする技能を要する業務に従事する外国人向けの在留資格です。在留者数は、令和7年2月末現在293,008人となっています(速報値)。

受入れ可能な分野は、介護ビルクリーニング工業製品製造業建設造船・舶用工業自動車整備航空宿泊自動車運送業鉄道農業漁業飲食料品製造業外食業林業木材産業の16分野です。

在留期間:1年を超えない範囲内で法務大臣が個々の外国人について指定する期間ごとの更新(通算で上限5年まで

技能水準:試験等で確認(技能実習2号を修了した外国人は試験等免除)

日本語能力水準:試験で確認(技能実習2号修了者は免除)
※介護、自動車運送業及び鉄道分野は別途要件あり

家族の帯同:基本的に認められない

支援:受入れ機関又は登録支援機関による支援の対象

■特定技能2号の特徴

特定産業分野に属する熟練した技能を要する業務に従事する外国人向けの在留資格です。在留者数は、令和7年2月末現在1,351人です(速報値)。

受け入れ可能な分野は、ビルクリーニング工業製品製造業建設造船舶用工業自動車整備航空宿泊農業漁業飲食料品製造業外食業の11分野となっています。

在留期間:3年、1年又は6ヶ月ごとの更新(更新回数に制限なし

技能水準:試験等で確認

日本語能力水準:試験での確認なし
※漁業及び外食業分野を除く

家族の帯同:要件を満たせば可能(配偶者、子)

支援:受入れ機関又は登録支援機関による支援の対象外

各分野における従事可能な業務一覧

介護:身体介護等(利用者の心身の状況に応じた入浴、食事、排せつの介助等)、これに付随する支援業務(レクリエーションの実施、機能訓練の補助等)、訪問系サービス

ビルクリーニング:建築物内部の清掃

工業製品製造業:機械金属加工、電気電子機器組立て、金属表面処理、紙器・段ボール箱製造、コンクリート製品製造、RPF製造、陶磁器製品製造、印刷・製本、紡織製品製造、縫製

建設:土木、建築、ライフライン・設備

造船・舶用工業:造船、舶用機械、舶用電気電子機器

自動車整備:自動車の日常点検整備、定期点検整備、特定整備、特定整備に付随する基礎的な業務

航空:空港グランドハンドリング(地上走行支援業務、手荷物、貨物取扱業務等)、航空機整備(機体、装備品等の整備業務等)

宿泊:宿泊施設におけるフロント、企画・広報、接客及びレストランサービス等の宿泊サービスの提供

自動車運送業:トラック運転者、タクシー運転者、バス運転者

鉄道:軌道整備、電気設備整備、車両整備、車両製造、運輸係員(駅係員、車掌、運転士)

農業:耕種農業全般(栽培管理、農産物の集出荷・選別等)、畜産農業全般(飼養管理、畜産物の集出荷・選別等)

漁業:漁業(漁具の製作・補修、水産動植物の探索、漁具・漁労機械の操作、水産動植物の採捕、漁獲物の処理・保蔵、安全衛生の確保等)、養殖業(養殖資材の製作・補修・管理、養殖水産動植物の育成管理、養殖水産動植物の収穫・処理、安全衛生の確保等)

飲食料品製造業:飲食料品製造業全般(酒類を除く飲食料品の製造・加工、安全衛生の確保)

外食業:外食業全般(飲食物調理、接客、店舗管理)

林業:林業(育林、素材生産等)

木材産業:製材業、合板製造業等に係る木材の加工等

受入れ機関に求められる対応と支援計画

受入れ機関は、1号特定技能外国人に対して「特定技能1号」の活動を安定的かつ円滑に行うことができるようにするための職業生活・日常生活・社会生活上の支援を行うための「支援計画」を作成し、当該計画に基づき支援を行わなければなりません。※特定技能2号については、支援義務がありません。

①支援計画の作成

・受入れ機関は、在留諸申請に当たり、支援計画を作成し、当該申請の際にその他申請書類と併せて提出しなければなりません。

②支援計画の主な記載事項

・職業生活上、日常生活上又は社会生活上の支援として必要であるとして省令で定められた実施内容・方法等

・支援責任者及び支援担当者の氏名及び役職等

・支援の実施を契約により他の者に委託する場合の当該他の者の氏名及び住所等

・登録支援機関(登録支援機関に委託する場合)

③登録支援機関への委託

・受入れ機関は、支援計画の全部又は一部の実施を他の者に委託することができる。

・受入れ機関が支援計画の全部の実施を登録支援機関に委託する場合には、外国人を支援する体制があるものとみなされます。

・登録支援機関は、委託を受けた支援業務の実施を更に委託することはできません。(通訳人などを活用することは可能)

まとめ

「特定技能1号」「特定技能2号」は、いずれも人手不足が深刻な産業分野における外国人材の受け入れを目的とした制度です。それぞれの制度は在留条件や技能要件、支援体制に違いがあるため、自社のニーズに応じた制度選択が求められます。
制度の正確な理解と準備を通じて、より持続的で健全な外国人材の受け入れが可能になるでしょう。