車の持ち主が亡くなった場合、その車は遺産として一旦相続人全員の共有財産となります。その後、誰が代表として相続するのか、もしくは共有のままにするのかを決定し、名義変更(移転登録)の手続きをします。本記事では、手続きを簡略化する際に必要な車の査定書について解説いたします。
遺産分割協議書と遺産分割協議成立申立書
車の移転登録(名義変更)には、通常遺産分割協議書が必要ですが、車の価格が100万円以下の場合は、遺産分割協議書の代わりに遺産分割協議成立申立書で手続きを簡略化することができます。遺産分割協議書には相続人全員の実印を押印しなければなりませんが、遺産分割協議成立申立書には相続する1名のみの署名押印と印鑑証明書で手続きすることが可能ですので、準備する書類も少なくて済みます。但し、車の価格が100万円以下であることが確認できる査定書を添付する必要があります。
では、車の価格はどのように調べれば良いのでしょうか。自分でインターネット等を使い、同車種・同年式の車の価格を検索すれば良いのでしょうか。インターネットで検索した価格相場では名義変更の手続きは受付してもらえません。車を扱う業者や専門の査定士が正式に発行した書類が必要となります。
一般の中古車ショップやディーラーに依頼しても査定書の発行を断られた場合は、日本自動車査定協会に依頼すれば査定書を発行してもらえます(有料)。また、実車での査定が困難な場合にはデータに基づいて推定価格証明書を発行してもらう方法もあります(有料)。
査定の料金は、車種や排気量によって異なります。また、日本自動車査定協会 大阪府支所では、査定を依頼する場合には必ず事前に電話予約が必要です。当日の予約はできません。電話予約の後、FAXを送信します。
まとめ
相続にともなう車の移転登録(名義変更)手続きは、必要書類も多く複雑ですが、車の価格が100万円を超えない場合には手続きを簡略化することが可能です。但し、車の価格が100万円以下であることを証明する書面(査定書)の添付が必要となります。中古車ショップやディーラーで発行してもらえない場合は、日本自動車査定協会に依頼してみると良いでしょう。