産廃許可取得における経理的基礎とは

産廃業

産業廃棄物処理業の許可を取得するためには、経理的基礎が重要な要素となります。経理の基本的な役割や、法人と個人事業主で異なる経理的要件、許可申請時に求められる実績の証明方法、経営状態を正確に示すためのデータについて解説します。適切な経理資料を用意することで、産廃許可取得のプロセスをスムーズに進めるためのポイントを確認しましょう。

産業廃棄物許可取得のための経理的基礎とは

経理の基本的な役割と重要性

産業廃棄物処理業の許可を取得する際、企業の経営が安定していることを証明するために、経理的基礎の確認が必要です。申請にあたっては、産業廃棄物の収集又は運搬を的確に、かつ、継続して行うに足りる経理的基礎を有することが必要です。つまり、「少なくとも債務超過の状態でなく、かつ持続的な経営の見込み又は経営の改善の見込みがある」ことが求められます。債務超過の状態である場合については、追加資料を求められますので、必ず事前の相談が必要です。

債務超過とは?

個人:様式第六号の二(第9面)資産に関する調書(個人用)の資産<負債
法人:直近の決算書において、貸借対照表の純資産がマイナスの状態

https://www.pref.osaka.lg.jp/documents/621/kyokanotebikiyoushikisyuu.pdf

産廃許可申請に必要な経理資料

個人事業主における経理資料

個人事業主の場合、経理管理は法人に比べて柔軟性がありますが、許可申請時には安定した事業基盤が必要とされます。個人の経済状況を明確に示すことで、申請の際の信頼性を高めることができます。

  • 資産に関する調書(第9面)
  • 納税証明書[その1][所得税](3年分)
  • 確定申告書の写し[所得税][第1表・第2表](直近3年分)
  • 経理的基礎に関する申立書 ※債務超過の場合
  • 納税証明書[その3の2] ※債務超過の場合
  • 府税及びその附帯徴収金に未納の徴収金の額のないこと[全税目]※債務超過の場合
  • 税務署提出の開業届の写し ※開業3年未満の場合
  • 納税証明書等が添付できない理由書 ※納税証明書の提出ができない場合

法人における経理資料

法人の場合、経理の管理はより厳密で、財務諸表の作成が義務付けられています。また、年度ごとに税務申告が求められ、適正な会計処理が行われているかが重要視されます。これにより、事業の健全性や信用力を示すことが可能です。

  • 納税証明書[その1][法人税](直近3年分)
  • 確定申告書の写し[法人税][別表1・別表4](直近3年分)
  • 決算書 貸借対照表(直近・前期・前々期)
  • 決算書 損益計算書(直近・前期・前々期)
  • 決算書 株主資本等変動計算書(直近・前期・前々期)
  • 決算書 個別注記表(直近・前期・前々期) ※未作成時は不要
  • 経理的基礎に関する申立書 ※債務超過の場合
  • 納税証明書[その3の3][法人税と消費税及地方消費税] ※債務超過の場合
  • 府税及びその附帯徴収金に未納の徴収金の額のないこと[全税目] ※債務超過の場合
  • 決算書 販売費及び一般管理費(直近・前期・前々期) ※債務超過の場合
  • 決算書 売上原価又製造原価(直近・前期・前々期) ※債務超過の場合
  • 税務署提出の開業届の写し ※設立1年未満で決算期を迎えていない場合
  • 納税証明書等が添付できない理由書 ※納税証明書の提出ができない場合

(注)上記以外に追加資料の提出を求められる場合があります。

まとめ

産業廃棄物収集運搬業の許可を取得するためには、的確に継続して産業廃棄物収集運搬業を行うことができるだけの経理的基礎を有していることが必要です。申請時には、かなり厳しく会社の財務状況がチェックされ、少なくとも債務超過でないことが求められます。但し、債務超過の状態であればすべて不許可なのかといえば、そうとも言えません。債務超過の場合の追加資料等については、各行政庁へ事前に確認しましょう。