解体業や産廃業に欠かせないものの一つにクルマがあります。このクルマを運転するための運転免許には多くの種類があります。それぞれの免許によって運転できる車両の種類や条件が異なります。この記事では、複雑化する各運転免許の種類や運転できる車両について今一度整理したいと思います。
1．運転免許の区分
運転免許の区分は「第一種運転免許」「第二種運転免許」「仮運転免許」の3つです。道路交通法第84条では、運転免許は3つに区分されています。１つ目は道路交通法第85条で規定されている「第一種運転免許」で、自動車や原動機付自転車を運転する場合の免許です。２つ目は第二種運転免許で、道路交通法第86条にあるとおり、乗合バス、タクシーなどの旅客自動車を旅客運送のために運転する場合や、代行運転普通自動車を運転する場合の免許です。3つ目の「仮運転免許」は、道路交通法第87条で規定されており、第一種免許を受けようとする者が、練習などのために運転する場合の免許をいいます。
2．運転免許の種類と運転できる自動車
道路交通法第84条では、運転免許の種類についての規定もあり、運転できる自動車や原動機付自転車に応じて下の表のようになっています。なお平成29年3月12日より免許制度が変わり、自動車の種類として新たに「準中型自動車」が創設され、これに対応する免許として「準中型免許」、及び「準中型仮免許」が新設されました。この準中型自動車の新設に伴い、普通自動車の基準も変更されましたのでご注意ください。
運転免許の種類
| 運転できる自動車／原動機付自転車 | |||||||||
| 免許の種類 | 大型自動車 | 中型自動車 | 準中型自動車 | 普通自動車 | 大型特殊自動車 | 大型自動二輪車 | 普通自動二輪車 | 小型特殊自動車 | 原動機付自転車 |
| 大型 | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | |||
| 中型 | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ||||
| 準中型 | ○ | ○ | ○ | ○ | |||||
| 普通 | ○ | ○ | ○ | ||||||
| 大型 特殊 | ○ | ○ | ○ | ||||||
| 大型 二輪 | ○ | ○ | ○ | ○ | |||||
| 普通 二輪 | ○ | ○ | ○ | ||||||
| 小型 特殊 | ○ | ||||||||
| 原付 | ○ | ||||||||
運転できる自動車の種類
| 車両総重量 | 3.5トン未満 | 7.5トン未満 | 11.0トン未満 | 11.0トン以上 |
| 自動車の種類 | 普通自動車 | 準中型自動車 | 中型自動車 | 大型自動車 |
| 免許の種類 | 普通免許 | 準中型免許 | 中型免許 | 大型免許 |
| 最大積載量 | 2.0トン未満 | 4.5トン未満 | 6.5トン未満 | 6.5トン以上 |
| 受験資格 | 18歳以上 | 18歳以上 | 20歳以上 免許期間2年以上 | 21歳以上 免許期間3年以上 |
・牽引について
大型自動車、中型自動車、準中型自動車、普通自動車、大型特殊自動車のいずれかで他のクルマを牽引するときは、牽引する自動車に応じた免許のほか、牽引免許も必要になることが、道路交通法第85条に定められています。ただし総重量が750kg以下のクルマを牽引する時や、故障車をロープ等で牽引する場合には牽引免許は必要ありません。
・原動機付自転車（原付）
総排気量50cc以下(定格出力0.6kW以下)のバイクを「第一種原動機付自転車(以下、原付一種)」、50cc超125cc以下(定格出力0.6kW超～1.0kW以下)が「第二種原動機付自転車(以下、原付二種)」として区分されています。令和5年7月1日からは、この原付の中に16歳以上であれば運転免許不要の「特定小型原動機付自転車」という新しい区分が新設されています。また、令和7年4月1日からは総排気量125cc以下の二輪車の最高出力を現行の原付と同等レベルの４kW以下に制御した二輪車を新基準原付として原付免許と同じ運転免許区分とするよう道路交通法施行規則が改定される見込みです。
まとめ
時代の変化に伴い運転免許制度も複雑になっています。交通ルールに違反すると反則金や厳しい罰則が科せられる場合もあります。正しいルールを理解し、安心安全環境に優しいクルマlifeを送りましょう。
